『何者』を読んだ
はじめに
ここ最近読んだ本が、『燻製ハウツー本』とか『魚の図鑑』とか『姪っ子に読み聞かせる絵本』とか、とにかく文字が少ない本しか読んでいない僕が、めちゃめちゃ久しぶりに、たぶん3、4年ぶりくらいに自分で小説を買って読みました。
何者を読むまで
いつものようにTwitterのタイムラインを眺めていると、僕のお気に入りのユーザがこんなツイートをしていた。
「何者を読め」
「『何者』って何だろう。僕、気になります!」
と、0.3秒で千反田えるに変身した僕は速攻で何者についてググってみた。
『何者』(なにもの)は朝井リョウの小説。
2012年11月30日に、新潮社より書き下ろしで発刊。
第148回直木三十五賞受賞作。
2016年に映画化作品が公開。
へえ~直木賞とったやつなんだ〜。
中学時代に金城一紀のGOにドハマリして、[直木賞 = 面白い] という単純思考が染み付いていた僕は早速興味が湧き始めたので、ネタバレを踏まないように引き続きググった。
何者は今年の10月15日に映画化作品が公開されるらしく、佐藤健、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみ、岡田将生、山田孝之がメインキャストで出るらしい。
予告動画を見てみると、「5人の大学4年生が就活を経験する中で、時に涙あり、時にケンカあり、時に恋愛あり、の感動友情就活キャンパスラブストーリー」みたいな感じだった。
いいじゃんいいじゃん!こういうヤツだよこういうヤツ!映画見る前に原作読もう!
先のツイートを見てから10分後には『何者』をAmazonでポチっていた。
何者を読んだ
久しぶりの活字だったのに一日で全部読み終わってしまった。心臓をグッと握られて逃げられないような、怖いもの見たさのような感じだった。
読み終わった頃には映画予告を見た時点での感動友情就活キャンパスラブストーリーなんて印象は木っ端微塵に粉砕され、得も言われぬような気持ち悪さだけが残った。
物語の主な題材が就活で、自分もついこの間まで就活生だったから何となく親近感を抱きつつ読み始めたわけだけど、実際には就活が話のメインでもなかったし、ましてや昨今の就活事情を揶揄するような話でもなかった。あくまで物語の背景という感じだった。
結局のところ、話の核はTwitterとかFacebookとかのSNSで、ネットとリアルのウラとオモテみたいなので就活対策本部5人の仲がこじれる的な話だった。
この小説を読んでて何が気持ち悪いって、主人公がまんま自分と一緒と言うか、俯瞰して他人のツイートをはいはいっつって見てたり、妙に斜に構えて大人ぶってたり、とにかく主人公の一挙手一投足がコレ俺じゃん!!ってなって終始ガン萎えしてた。
物語終盤の、主人公が予てから鼻で笑ってた就活仲間の女の子(理香)が主人公にマシンガントークで罵声を放つシーンは僕への死体蹴りなんじゃないかとさえ感じた。
ただこの小説を読んでいて僕が唯一救われたのが、主人公が惚れている女の子(端月)が、俺は就活なんて社会の勝手なシステムに飲まれねえっつってる男(隆良)に言った言葉
あなたが歩んでいる過程なんて誰も理解してくれないし、重んじてもいない、誰も追ってこないんだよ。
百点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したって、あなたのことをあなたと同じように見ている人はもういなんだよ。
わかる〜〜〜〜〜!!!!!
野口のそれ分かるー!のコーナーがあったらエンジェルあげちゃうレベルで共感できた。
僕はいい年してチャランポランしてたり、自分のやりたいこととか夢とかばっかり言ってる人たちに、毎度心のなかで
「まずやるべき事をやれや!!」
って思ってるから、このシーンはすごくスッキリした。
まとめ
・兎にも角にもこの物語を読み終えた所感としては、スッキリ10%気持ち悪さ90%って感じだった。
・あえてこの物語の就活に触れるとすれば、あんまりリアル感が無かったように思う。
・映画の光太郎役が菅田将暉ってめちゃめちゃハマり役じゃね!?!?!?!?

- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 単行本
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